創作物置き場です。

ここ1〜2年、魔物による被害が多くなった。もともと被害が無かったわけでは無いが、目撃報告もそれまでより圧倒的に増えた。
魔物の繁殖はおろか、卵を見たことがある人は居ない。それどころか、子供の魔物すら目撃されたことがないような、謎の多い生き物である。故に多くなった理由も理屈も分からなかった。

「こうして図にすると、やはり北部での被害が多いのだな。」
「そうですね…。我が国の北で魔物が生まれるのか、それとも北部に何か目的があるのか……。」

大きなテーブルに印の付けたれた地図を広げ話すのは、この国の王子ジクシターと、将軍補佐アリアノである。この二人は、はとこ同士であった。
というのもこの国の歴史はあまり長くない。初代王のセオドリーはジクシターの祖父にあたる。アリアノが将軍補佐であるのも、祖父である初代将軍が王の弟であったためだ。そして現在の将軍というのも、アリアノの父親その人である。

「そこのお前。」

ジクシターが呼びかけたのは、城で働く侍女シャゼルである。

「は、はいっ!」

侍女は王子の突然の呼びかけに驚き、方を跳ねさせた。一介の侍女である自分に、たとえ野暮用でも声が掛かるとは思っていなかったのだ。

「わが父の帰りはいつになるか、聞いているか?」
「国王様ですか、……一月ほどは帰ってこないと伺っております。」
「ふむ…。」

ジクシターは少し考えこんだ。自分は武に優れているわけでもなければ、智に秀でているわけでもない。
傷つく民を憂いて入るが、力があるわけではない。
しかしながら幸いにもジクシターは他人の力を頼る事を非難される立場ではないのである。この国の民は、自分が頼み事をすれば喜んで引き受けるだろう。だからこそジクシターは、頼む相手は選ばなくてはいけなかった。

「明日、街へ視察に行くぞ。」
「はい。」

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

×

この広告は60日間更新がないwikiに表示されております。

Menu

作品

マグナ・セオドリー王国

現代の妖怪たちの生活

現代の年頃陰陽師

魂の世界-アデモンズデン-

管理人/副管理人のみ編集できます